英語の詩|おすすめアメリカ現代詩人の紹介『William J. Harris』

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詩・英詩

有名な英語の詩を探しているとなぜか必ずシェイクスピアをおすすめされてうんざりしているあなたへ。

わかります。

たしかにシェイクスピアは偉大な詩人ですが日本の時代で言いますと安土桃山時代の人です。

さすがにちょっと古すぎます。もちろんシェイクスピアの作品は時代を超えて愛されていて普遍的なものです。でも、僕らが知りたい「有名な英語の詩」ではありません。

僕らはもっと今日的な詩人を知りたいのです。

そういうわけで当ブログではアメリカの現代詩人を中心に紹介しています。
本記事では「現代」のアメリカ詩と詩人を紹介し

・海外の詩を読んでみたい
・英語の詩を英語学習に取り入れたい
・英語の短い詩を探している

このような方の要望に応えられれば幸いです。

最初に言い訳をさせて頂きますと「現代詩」は日本語においても難解です。意味がわからないもの、文法を意図的に壊している詩作品などたくさんあります。

そのような「現代詩」を英語の専門家でもない僕が訳したり解釈したりしているので、たくさんの誤読、文法上の誤りがあることは何卒ご了承ください。

いつか英語の詩を英語のまま理解できらたらいいなと思っています。

そして世界中を旅して世界の詩人に英語でインタビューをすることが密かな夢です。

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Poetry|『This Is a Billy Joe Harris Poem』

『This Is a Billy Joe Harris Poem』

This is a Billy Joe Harris
Poem

It’s the only
Type of poem
I can write

I can’t write
A personal Frank O’Hara
Poem
Even tho
I like them

Or
A very personal
Perhaps too
Personal
Charles Bukowski
Poem
Even tho
I like them too

Dear Reader
For the moment
At least
While you are here
You are stuck
Within a
Billy
Joe
Harris
Poem

What is
It like?
You ask

Well, its
A whole
Lot
Like
Me

How do you judge it?
You ask

Well, I don’t
Really know

But I hope
You
Like
Being
Here
With me

出典:POETRY FOUNDATION

※Frank O’Hara:アメリカの作家、詩人、美術評論家

今回は『This Is a Billy Joe Harris Poem』という詩を紹介しました。

英語詩を英語学習のリスニングやシャドーイングに取り入れたいと考えている方は出典先の「POETRY FOUNDATION」に作者による詩の朗読の音声ファイルがありますので練習に役立ててください。

Introduce|『William J. Harris』

William J. Harrisは、1940年にアメリカ合衆国のテキサス州エルパソで生まれた詩人批評家、編集者です。

1960年代に詩作を始め、アフリカ系アメリカ人文学において重要な役割を果たしました。

ハリスは、テキサス大学で学び、同地で出版されていた文芸誌『Confrontation』に作品を投稿しました。

その後、ニューヨークへ移り、アフリカ系アメリカ人の文学団体「Umbra」に参加しています。

彼は、1969年には、Umbraの作品をまとめたアンソロジー『Umbra』の編集に参加し、これがアフリカ系アメリカ人文学における先駆的な試みとして高く評価されました。

ハリスの詩作は、自己のアイデンティティやアフリカ系アメリカ人の歴史や文化について探究するものが多く、その表現力と論理性により高く評価されています。

受賞歴には、ナショナル・エンドウメント・フォー・ザ・アーツのフェローシップや、カリフォルニア州詩人ローレイトなどがあります。

■当サイトではこちらの詩人さんも紹介しています。
アメリカ現代詩人の紹介『Ron Padgett』
アメリカ現代詩人の紹介『Tracy K. Smith』

Interpretations|詩の解釈

この詩は口語体や会話体に近い文体で書かれており、文法的にも比較的シンプルな表現が多く使われています。

また、詩の中で自分自身を主題として取り上げており、自己表現の側面が強く出ています。

さらに、詩の最後に向けられた「Dear Reader」や「With me」といった表現を通して、読者との直接的な対話的なコミュニケーションを意図しているようにも感じられます。

テーマは「自分らしさ」ではないでしょうか。

きっと作者はフランク・オハラやチャールズ・ブコウスキーの詩がすごく好きで影響されているのだと思います。

では、自分の書いている詩は彼らの詩と似ているものになってしまうのか。

そうではない、と作者は言っています。自分の書いた詩はやはり自分だけにしか書けない、自分らしい詩になるものなのです。

英文法の特徴

この詩は比較的シンプルな英語で書かれており、ほとんどが口語的な表現で構成されています。

いくつかの行は短く、断片的な言葉や省略された語句が使われています。また、詩の中に疑問文や直接話法が多用されており、読者に直接訴えかけるような語り口が特徴的です。

全体的に、言葉の選び方や文法の構成において、日常会話に近い形式を取っていると言えます。

>>英語の精読の正しいやり方は?村上春樹作品で実践する洋書の精読のススメ

Translation|詩の翻訳

『これはビリー・ジョー・ハリスの詩』

僕はこういう風な詩しか書けない

例えばフランク・オハラの詩がすごく好きだけど
フランク・オハラみたいな詩は書けない

あとは、例えばチャールズ・ブコウスキー
チャールズ・ブコウスキーもすごく好きなんだけど
やっぱりチャールズ・ブコウスキーみたいな詩は
どうやっても書けない

ところで今これを読んでいるあなた

ここまで読んでくれたってことは
この詩に惹きつけられてるって
ことじゃない?

それであなたはこう聞く
これは誰みたいな詩なの?って

それで僕はこう答える
これは僕みたいな詩なんだよ

そうすると、あなたはこう聞く
どのへんがそうなの?

まあ、実はそれはよく分からないんだけど

よく分からないんだけど
こうして僕と一緒にいるみたいだってことを
気に入ってくれてたら嬉しいな


※筆者は英語の専門家ではありません。翻訳家でもありません。英単語、英文解釈に誤訳があるかもしれませんがご了承ください。あくまで私なりの解釈で単語、詩の翻訳をしています。

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覚えておきたいフレーズ「stuck in」の意味は?

今回の詩の中からビジネスあるいは日々のコミュニケーションにおいて覚えておきたいフレーズを1つ選び、解説していきます。今回は「stuck in」を取り上げます。

「stuck in」の意味は「~に閉じ込められている」「~に取り残されている」となりますが状況によりニュアンスが変わります。これは例文で読んだ方がつかめるので大きく4つの場面に区分しました。

交通や移動の制約

交通渋滞や交通機関の遅延など、移動に関する制約を表現する際に使われます。

I’m stuck in traffic, so I’ll be a bit late.
渋滞に巻き込まれているので、少し遅れるよ

会議や予定の制約

会議や予定などに時間的に「閉じ込められている」状況を表現する際に使われます。

She’s stuck in a meeting until lunchtime.
昼までミーティングで出られない

感情的な状態やサイクル

悲しみ、焦燥感、ネガティブな考えのサイクルなど、精神的な状態に「閉じ込められている」場合に使われます。

He found himself stuck in a cycle of anxiety.
彼は不安のサイクルに閉じ込められてしまった

物理的な制約や障害

物理的な障害や制約によって動けない状況を表現する際に使われます。

The door is jammed, and I’m stuck in the room.
ドアが動かなくなって、部屋に閉じ込められている

「~に閉じ込められている」「~に取り残されている」という意味ではありますが、それぞれの場面でのニュアンスを掴んで理解しておいた方が良さそうですね。

The end|詩と英語学習

さて実は詩と英語学習、特にシャドーイングとはとても相性が良いのです。

ここでシャドーイング未経験者に説明をさせて頂きますと、シャドーイングとは英語の音声を聞きながら、すぐ後を音声の真似をしながら復唱していく勉強方法です。

聞こえてくる音声の後を影のようについていくところからシャドーイング(shadowing)と呼ばれています。負荷は高く難易度は高い学習方法ですが、正しく実践すれば得られる効果もまた大きいとされています。

そんな英語学習方法の1つであるシャドーイングと英語の詩の相性が良い理由は以下の通りです。

単語が覚えやすい

英詩はとくに韻を大事にします。似たような発音の単語をまとめて覚えることができます。また日常生活の中で使用する単語を学ぶことができます。

発音の強弱、イントネーションが学べる

英詩で最も重要なのはリズムとされています。 そしてそのリズムを形成するのが発音の弱強やイントネーションです。音声を繰り返し聞きシャドーイングを行うことによって発音やイントネーションが身につきます。

無料で聞くことができる

以下の英語サイトでは英詩の音声ファイルを聞くことができます。
(※すべての詩ではありません)

Poetry Foundation
lyrikline

英詩で日常では言葉にすることが難しい思いや人生の教訓、言葉の表現の豊かさを味わい、同時に英語のシャドーイングをしてスピーキング力や発音も身につける。

本記事がそんな最高に効率の良い勉強方法に役立てられたなら幸いです。

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About me
  • 海外事業部20年目の海外エリアマネージャー
  • 日々、英語でWEB会議やメールを海外の取引先と実施
  • 海外出張は北米や北欧を中心に10か国以上
  • オンライン英会話を使ってスピーキング力を強化中
  • TOEIC 独学 800点
  • 詩歴6年目、現代詩手帖などに投稿し入選、佳作