ビジネスマンなら誰もが知っている「アダム・グラント」。当然、彼の代表作は知っていますよね。そして当然、代表作の要点は言えますよね。えっ、知らない?読んだこともない?
大丈夫です。僕もよく知りませんから。そんなあなたはここで僕と一緒に「アダム・グラント」のTED動画を視聴して、さくっと以下のことを学びましょう。
・アダム・グラントの代表作
・各著作の要点
・アダム・グラントについて
明日から僕たちは「アダム・グラント」について語ることが出来るようになりますし、何よりも彼の思想や著作に触れることによって、僕たち自身の思想や行動に変化が訪れることになるでしょう。
「与える人」と「奪う人」—あなたはどっち?(動画時間13:19)
アダム・グラントの代表作と言えば『GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代』です。このTEDスピーチで彼の代表作の要点が理解できるようになります。
ギブ&テイクは昔からよく聞く言葉ですが、彼は人を大きく3種類に分類します。すなわち、ギバー、テイカー、そしてマッチャ―です。
- ギバー(与える人)
- テイカー(奪う人)
- マッチャ―(損得のバランスを取る人)
さて、この3種類の中であなたはどのタイプでしょうか。
わかります。自分のことをテイカー(奪う人)だとは思いたくないですよね。でもギバー(与える人)だといえるほど人の世話をしているわけではないのですよね。
だとしたらあなたはマッチャ―(損得のバランスを取る人)なのでしょうか。でも、そうだとすると成功できないんじゃないか。そんな不安がよぎります。
本動画ではこの3種類について著者自身が詳しく説明してくれます。
その中で自分自身がどのタイプであり、どのような態度を取るべきなのか、あるいは組織や集団の中において、どのタイプが必要でどのタイプが危険分子なのか。さらには、その見分け方まで教えてくれます。
ギバー(与える人)こそが「善」だと信じている人にとっては厳しいですが少しだけネタバラシをしますと、この中で一番成功できないのがギバーだと言われています。驚きですよね。
あなたはどのタイプとして生きていきますか?
僕はまず、あなたにGIVEすることから初めたいと思います。本動画に関するアダム・グラントの著作はこちらです。
独創的な人の驚くべき習慣(動画時間15:16)
「僕は独創的な人だろうか」
この問いはすなわち「僕は何者かになれるだろうか」と同義でした。少なくとも僕はそう思って十代の頃からずっと過ごしてきました。
そしていつだって「そうかもしれない」と「そうじゃないかもしれない」を行ったり来たりして今も生きています。
僕が悩んでしまうのはきっとこう考えているからです。
「独創的な人っていうのは、アイデアに溢れ、アイデアが浮かべば即実行、自信に満ち溢れ、さらには失敗だって恐れもしない、そんな人物こそ独創的な人と呼ぶのにふさわしい。そんな風に考えられない僕は独創的ではないし、すなわち、何者にもなれないのだろう」
でも、
「そうじゃない」
アダム・グラントは語ります。
独創的だと言われている人たちだって、あなたや僕とまったく変わらない。自信もないし不安ばかり。それに、独創的な人ほど物事を先延ばしにする傾向だってある。それはその方がアイデアがさらに湧いてくるからだ。
本動画では僕たちがこれまでに抱いていた「独創的な人」というイメージが偏ったものであったことを様々な実験データから教えてくれます。そして誰もが独創的になれるのだとも教えてくれます。
「最も深く後悔するのは実行した事ではなくて実行しなかった事」
物事をどう捉えるのか、そこが大切なのです。
彼の著作のリンクを下に貼っておきます。さて、どうでしょう?あなたは今、この本を買うイメージをしましたか?
そのイメージを実行しますか?あるいは実行しませんか?
茹でガエルが教えてくれる、考え直すことの大切さ(動画時間15:54)
「ゆでガエル理論」というのがあります。
環境の変化があまりに小さいために自分ではその変化に気がつくことが出来ず、何もアクションを起こさなかったために後々大きな損害を受ける、ということです。
「カエルを急に熱湯に入れると驚いて逃げ出すけれど、常温の水から水温を少しずつ上げていくと
温度変化に気がつかずに逃げ出すタイミングを失い、ゆであがって死んでしまう」という話が由来です。
実はこういうことは僕たちの日常の中のあらゆる所に隠れています。
たとえば、ひどい職場だと分かっているけど働きつづけたり、自分のアイデンティティはこれだと固執してしまったり、あるいは、それが良い習慣であるがゆえに却って考え直すことが邪魔になってしまう、などがそれです。
また「やり抜く」「諦めない」「頑張る」、こういった態度は世間からは称賛されますが
それは「失敗だとわかっていてもやり続ける」ということとは違うと意識しておくべきでしょう。
本動画ではこうした様々な視野が狭くなるシチュエーションを解説し「考え直す」ということの重要さを教えてくれます。
「この動画で語られることは私は分かってるみたいだからいいわ」
そう思ったあなた。本当ですか?「自分にはバイアスがない」という バイアスに陥っていませんか?
そう思ったあなたはまずは彼の本著作を読んでみることをお勧めします。
虚脱感を抜け出してフロー状態になる方法(動画時間15:51)
最期の動画ではアダム・グラントがタイトルの通り虚脱感から抜け出すための方法を教えてくれます。コロナ禍において僕たちは意識するしないに関わらず少なからず皆、虚脱感に襲われていたのかもしれません。
その虚脱感から抜け出すための方策がフロー状態なのだとアダム・グラントは言います。フロー状態とはいわゆるゾーンに入っている感覚で我を忘れて没頭したり、時間をも忘れている状態を指します。
フローに入る条件は3つとされています。
- 上達:進歩/成長をしていると感じること
- マインドフルネス:1つの作業に全神経を集中させること
- 意義:自分が他人の役に立っているという感覚
虚脱感を解消するためには必ずしも生産的なことをする必要はなく純粋に楽しむってことだけでもいいのです。
夜中にスマホをダラダラ見ない、SNSも適度にする、テレビは好きなものだけ観るようにする。
そういうことも大切ですが、フローに入ることも日々の生活においては同じように大切だということを教えてくれます。
アダム・グラントってどんな人?
アメリカ合衆国の心理学者、組織行動学者、著述家です。1981年にミシガン州デトロイトで生まれ、ウィスコンシン州メイソンで育ちました。ハーバード大学で心理学の学士号を取得し、その後、ハーバード・ビジネス・スクールで組織行動学の修士号を取得しています。
その後、オハイオ州立大学で心理学の博士号を取得しました。博士号取得後、彼はウォートン・スクール(ペンシルベニア大学)で教鞭を執り、現在は同大学の組織心理学教授として教えています。
アダム・グラントの研究は主に仕事や組織における動機付け、生産性、創造性、成功の要因などに焦点を当てています。実践的で応用的なアプローチを特徴とし、企業や組織のリーダーシップや文化の向上に関するアドバイスを提供しています。
また著名な著述家でもあります。著書『Give and Take: A Revolutionary Approach to Success』は、他者との協力の重要性に焦点を当てたものであり、ベストセラーとなっています。他の著書には『Originals: How Non-Conformists Move the World』や『Option B: Facing Adversity, Building Resilience, and Finding Joy』などがあります。
その一方で今回の記事で紹介したようにTEDトークスピーカーとしても活動し、動画は数百万回以上再生されています。
アダム・グラントの研究や著書は広範な影響力を持ち、ビジネスリーダーや組織のメンバー、一般の読者からも高く評価されています。
全動画まとめ
最後までお読み頂きありがとうございました。あなたにとってアダム・グラントとTED動画が少しでも身近になってくれれば幸いです。
これは広告リンクを貼っているからと言うわけではないのですが、興味を持ってもらえたのだとすれば、やはり著作を購入することをおすすめします。TED動画はやはり著作の導入編という位置づけだと感じるからです。
しかしそれにしても、こうして簡単に世界の「知」に触れられるというのはすごい時代ですね。
TED動画にはまだまだ面白いものがたくさんあります。別の切り口でいくつか紹介をしますので、また読んで頂けますと嬉しいです。
>>リーダーになりきれないあなたへTED式リーダー論3選!
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