あなたの睡眠に対する理解、正しいですか?おそらくほとんどの人は間違っています。そろそろ前時代的な考え方をやめて睡眠について真面目に考えましょう。
思いだしてください。人生の1/3は寝ているのです。その1/3を大切にしないで一体、どうしたら有意義で後悔のない人生が過ごせたと言えるのでしょう。
そのあたりはさすがTED、きちんと抑えています。今回の記事では特に睡眠に関わるおすすめのスピーチ5選をまとめました。
なぜ人は眠るのか?(動画時間21:33)
TED Talks には睡眠についての動画がおよそ400近くありますが、その中でも特に入門編として優れているのが本動画です。神経科学者のラッセル・フォスターさんによる睡眠についての20分間に及ぶスピーチをテーマごとにまとめました。
ここで重要なのは僕たちは睡眠に対する考え方を変える必要がある、ということです。
睡眠に対する価値観の移り変わり
人は人生の36%を寝て過ごします。90歳まで生きるとするならば32年間は睡眠に費やすことになります。その費やす時間の量を考えただけでも睡眠について考えることがいかに重要かが分かります。
ずっと昔は睡眠はとても重要なものとして考えられていたにも関わらず、1800年代~1900年代に入ると睡眠に対する価値観が変わり「眠りは時間の浪費」とも言われるくらい価値が下がりました。そして今、睡眠の重要性がまた叫ばれています。
これは産業革命によって生活の価値観が変わったことと、電球などの発明によって夜の過ごし方が変わったことなどが影響しています。その後、現在においては脳科学などの研究が進み、脳の働きと睡眠の関係性が明らかになるにつれ睡眠に対する価値が見直されているのです。
睡眠はなぜ必要なのか?
睡眠についての学説は何十もありますが代表例として3つがあげられています。
- 睡眠は疲労回復のために必要
例)脳の中にある多くの遺伝子は睡眠中だけにオンになる - エネルギー温存説
- 脳の情報処理と記憶定着のために必要
例)複雑な問題への新しい解決策や創造性は夜寝ることで高まる
現代人は睡眠不足
1950年代では人の平均睡眠時間は8時間であったのに現代では6時間に減少しているそうです。そこには例えば10代の若者は9時間の睡眠時間が必要とされているのに実状は5時間程度しかないこと、(学校教育の始業時間が早すぎることを示唆しているのだと思います)、労働人口の20%にあたる交替勤務による睡眠時間の確保の難しさが影響しています。
睡眠不足は、判断力低下、記憶力、 創造性の欠乏、ストレスの蓄積、またそのことによる免疫力の低下、など様々な弊害を引き起こします。睡眠不足とは「ちょっと頭がボーっとしちゃう」程度の被害ではすまされないことなのです。
よく眠るためのコツ
本動画では下記の5つが提唱されています。これらはどの動画、書籍でも言われている基本的なことですね。
- 寝室を聖域とする(眠るための場所とすること)
- 室温を涼しくする
- 30分前には暗くする(朝はきちんと光を浴びる)
- スマホ、テレビなどを観ない
- カフェインを採らない(ランチ以降)
睡眠に対する迷信
ここでは睡眠に対する迷信について語られます。例えば10代の若者はよく昼過ぎまで寝ていますよね。これは寝すぎなんでしょか?違います。10代の若者の生体リズムが遅く寝て遅く起きても休めるようになっているのです。また歳をとると睡眠時間が減るというのも迷信だといいます。歳をとるとまとめて寝にくくなるだけで必要な睡眠の量は変わらないのだそうです。
メンタルヘルスと睡眠の関係性
メンタルヘルスと睡眠の関係性は重なっている部分が大きいのだそうです。例えば通常の睡眠をとる上でとても重要とされている遺伝子が突然変異し、変化した場合にメンタルヘルスの問題を引き起こすことがわかっています。一方である研究によれば統合失調症と関係のある遺伝子が突然変異したとき、睡眠に障害をきたすことが示されています。
睡眠障害はある種の精神疾患の前兆であり、それはつまり睡眠障害を早期警告シグナルとして捉えることにより多くの精神疾患の問題解決に役立つ可能性があるということを示しています。
本動画を通じて睡眠に関する基本的な情報が得られたのと同時に、睡眠に関する多くの迷信や誤解、そしてこれから睡眠に対して取るべき新しい姿勢や行動が生まれたのではないでしょうか。
睡眠というスーパーパワー(動画時間19:09)
2つ目の動画は睡眠科学者のマット・ウォーカーさんによる「睡眠というスーパーパワー」です。マット・ウォーカーさんはTED内に睡眠に関するたくさんの動画をあげています。
ここではマット・ウォーカーさんは睡眠が脳と身体に及ぼす影響について語ります。脳という側面からは学習能力や記憶について、身体という側面からは免疫機能、アルツハイマー病との関係などについて教えてくれます。
本動画でマット・ウォーカーさんが伝えたいことは睡眠とはライフスタイルの流行によって左右されるようなものでなく、生物学的に必要不可欠なものであり、正しい知識を得て行動しなければいけないということです。
忙しくて寝る時間がない、夜の方が頭が冴える、寝る時間が少なくとも大丈夫という謎の自慢、これらは全て前時代的な価値観から作られた幻想、常識に過ぎないのです。
睡眠を軽く扱うことは単なる無知でしかありません。
脳が深い睡眠から更なる恩恵を得る方法(動画時間6:28)
3つ目の動画は睡眠科学者のダン・ガーテンバーグさんによるスピーチです。彼のスピーチはこんな質問から始まります。
より効率的な睡眠が 可能だとしたらどうでしょう?
ここまで僕たちは睡眠がいかに誤解されていたか、正しい睡眠とは何なのかを教わったばかりでしたが、すでに効率の良い睡眠とは何かが研究されているのです。
ダン・ガーテンバーグさんも他のスピーチと同様に睡眠不足が身体に及ぼす影響、健康被害などについて語りますが睡眠の質という面にも言及しています。
睡眠がまだまだ未開拓の研究分野であることがわかります。
よく眠る事が大切なもう一つの理由(動画時間11:18)
さあ、いよいよ4つ目の動画です。4つ目は神経科学者ジェフ・リフさんによるスピーチです。ジェフ・リフさんは睡眠が大切なもう1つの理由を教えてくれます。
僕たちはここまでの動画の中で睡眠は脳と身体に良い影響を及ぼし、また必要不可欠であることを学びました。ジェフ・リフさんがあげるもう1つの理由は脳と関係しています。それはつまり脳の老廃物の排出方法に関わることです。
身体が消費するエネルギーの1/4を消費する脳の他の器官との違い、そしてその老廃物の排出方法とアルツハイマー病との関係性について語られます。
アリアナ・ハフィントン「成功の鍵とは? もっと睡眠をとりましょう」(動画時間3:54)
TED動画が教えてくれる睡眠の大切さ、ラストの5本目はリアナ・ハフィントンさんにお願いしましょう。リアナ・ハフィントンさんはジャーナリストで過去に疲労から意識を失い大怪我をしました。その時の経験から睡眠がいかに大切かを学んできました。
これまでの4つの動画は科学的見地からのスピーチでしたが、最後はもしかしたら一番やっかいであるかもしれない睡眠に対する先入観や偏ったイメージ、特に男性がしがちな睡眠不足自慢、忙しい自慢、
それらの下らなさを女性ならではの視点から語ってくれます。
睡眠はライフハック云々と同列に語られるべき現象ではなくて自分の身体や生命に直結する大切なものなのです。
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まとめ
あなたの睡眠に対する意識、考え方は変わったでしょうか?僕自身、数年前から睡眠に対する意識は変わり始めていていくつかの動画の中でもお勧めされている睡眠の質の向上に効果があるアクションに取り組んでいます。
知っている人、気がついている人はもう始めています。知らないと損をします。この場合、損をしてるのは金銭的なものではなくて健康、創造性、あるいは幸せ、そういうものなのです。
ところで、今回のTED動画の英語スピーチは理解できましたでしょうか?英語力は将来的には必須のスキルですが、そのことに気づていない、あるいは知らないふりをしてる人が多すぎますよね。
TED動画を視聴しているような方は、当然そのあたりを理解しているからTEDを使って英語の勉強を考えているのだと思います。
最後に僕が実践しているオンライン英会話に関する記事を紹介して終わりたいと思います。最後まで読んで頂きありがとうございます。